先週の水曜日、仕事から帰ったらオカメずの一員、ヒトミに異変。
ヒトミは8年前の5月、娘につきあって寄ったペットショップからやってきた。
他のオカメずやすでに虹の橋を渡ってしまったロンもセキセイ達もペットショップがあったからこそ我が家にやってきたに違いないものの、売れ残ったコ達の行く末をはじめ、あれこれ思えば思うほどに自分としては近寄りたくない所。
その時も用事を済ませたらすぐに出るつもりだったのが、レジ近くにあったヒナ鳥さんたちのプラケースをつい覗いてしまって。
そこにはそろそろ中雛卒業の、羽の色も模様もお世辞にもきれいとは言い難いオカメインコがじゃーじゃー猛アピール。
「お腹空いてるのかな」
「さっきあげたばかりなんですけどね」
「触ってもいいですか?」
「いいですよ」
「すごいよく慣れてますね」
温かくて日向のにおいがするそのコはブサイクだけど、それがまた可愛いかった。
でもな、家にはすでに3羽のオカメがいるしな、これ以上ケージは増やせないし、
とプラケースに戻してその日は帰ってきたものの、やっぱり気になって仕方ない。
あの様子ではおそらくもう買い手はつかないかもしれないし(イヌやネコもそうなんだろうけど、鳥も小さいうちは売れたところで成鳥すると、ね)、そうなると長生きは難しい。
散々迷って、その翌々日だったか、行ってみたらまだいたので連れてきた。
ブサイクだけど、目が大きくて可愛いから名前は「ヒトミ」。
甘えん坊さんでよく食べよく飲み、そして、また食べて飲む。
だけど、人の手を全く嫌がらないで手を差し伸べればすぐに乗ってきてじっとしてるのは可愛いんだけど、そのまま動こうとしないし、鳥にも猫背という言葉があてはまるのかわからないがどうも姿勢が悪い。
他のコ達ほどは動かずとも、
「ワタシ、食べることが趣味なの~!」
と言わんばかりに年中食べてるヒトミは、すぐに5つ上のマル吉♂の体を追い越した。
まぁ、マル吉がこれまた小さいってのもあるが。
ケージはいくつも置けないからネットで小動物用のを二つ買ってくっつけて彼らのお家にしたものの、マル吉含め先住の3羽様が彼女にあまり近寄ることがなかったのは、私がつい最年少で構うのが気に入らなかったのかもしれないし、あまり動きがスムーズでないのに違和感みたいなものがあったのかもしれない。
幼いくせにおデブで、あまり怒らないおシマ♂やアイちゃん♀を押しのけて出張ってくるしね。
3年前。
仕事から帰ったら、ヒトミの羽に血がべったり。
きっと何かに驚いてパニックを起こしそこらを暴れ回ってぶつけてけがをしたんじゃないかと見てみたけれど、傷らしいものは見当たらないし、他のコ達を見てもよくわからない。
幸い血は乾き始めてて出血してる様子もなくいつも通りにしてたんで、その日は早めに休ませたものの。
ちょうどその頃、おとーさんがつけてたテレビのローカル番組の地域散策みたいなコーナーでたまたま鳥専門の病院が市内に出来てたのを知り、毛引きもひどかったから休みを待って診てもらったところ。
「このコ、翼の骨が折れてますね。この感じだとおそらく雛の時に何かあって。だから、飛べないし大人しくてあまり動かないんだと思いますよ」
言われて初めて気づいたのだけど、翼の裏はべったり肉づき、レントゲン検査によれば肝臓やらも肥大して骨や血管どこそこあまりいい状態とはいえないそうで(話の感じだと成人病のかたまりみたい?)、ホルモン異常(常に発情状態)も起こしてるが、これと言った治療もないので(薬がないわけでないが効果をあまり期待できないわりに飲み始めたら続けなければならない、みたいな話だったかな?)、とにかく早く寝かせて起きてる時間を短くして、少しでも運動させるようにしてください、とのこと。
運動といっても、放鳥させて飛ばせるのが一番いいとはいえ、ヒトミの場合は飛べないから、家の中を連れて歩いては、
「頑張れ、ヒトミ!」
なんて言いながら、走って私を追いかけてこさせたりもしてたんだけど。
動いた後は必ず心臓を大きくドクドクさせるのが気になって。
ケージから出しても、すぐに私の足の上に乗ってきてじっとしてるし、それも仕方ないかと思ってた。
そんなヒトミが先週水曜日、仕事から帰ったら様子がおかしい。
見ると片足が動かない。
思えばここんとこ、止まり木から落ちることが何回かあって。
すぐに戻してやるとそのままでいられたから、足の力が弱くなってきたのかな、おデブで重いし、なんて思いつつもそれほど気にもしてなかったけれど。
これまでの小鳥さんたちを見ていると、動きがおかしくなると間がないから急いでケージから出してタオルでくるんで寒くないようにしてやって、耳やくちばしを撫でてやるといつもみたいにじっとしてる。
自分ではお水は飲めそうになく、手につけたりおさじであげようとすると嫌がってご飯も食べようとしないし、その晩はとにかく暖かくして撫でてやるしかなかった。
翌朝、目が覚めたと同時に見てみるとタオルにもぐりこんでたヒトミの顔の感じはいつもとかわりないいものの、今度は両足が動かず。
その日は昼から夜まで仕事の日で先にお休みを取ってた人が二人いて人員配置がぎりぎりだったから休むこともできなくて、娘に電話して
「何もしないでいいから、とにかく誰もいないところで一人で逝かせるのは可哀そうだからそばに置いてやって」
って言うだけが涙で言葉にならず、察した娘が孫を連れてやってきて、私が帰るまで家にいてくれた。
ただ、お水も飲まない、ご飯も食べない、トイレも出来ないヒトミだけど、なぜか顔色がそんなに悪くないのがこれまでのコ達と違い、小鳥さんがそんなに長い時間、満足な食事をとらずにいられるのかと思いつつ、その晩も遅くまで撫でてやり、朝、目が覚めたと同時に見るといつもの可愛い目を向ける。
身体は全然動かないのに。
自分自身はもちろん、ペットの延命治療もしたくないと思ってきたけど、それでもやはりいられない。
病院に電話して連れてったら。
両脚の神経麻痺、排泄障害、骨の状態が悪かったからおそらく脊椎損傷、関節炎、動脈硬化に肝臓腎臓のリピドーシス、痛風等々。
自分での排泄はもう難しい状態とのことで、先生が肛門のあたりを押さえたら緑色のどろっとしたウンTがびゃっと出て、小鳥さんだから人間や動物の臭いという感じとも違うけどけっこう臭ったのは菌が繁殖してるから、ということだった。、
「ご飯食べられないしお水も飲めないから強制給餌と補液が必要だし、長期入院になりますね」
「わかりました。お願いします」
とは答えたものの、先生が入院説明書を持ってきてあれこれ説明しながら書きこんでくれるのを見ながら、これでいいのか、本当にこれでいいのか、ってずっと思ってた。
それは帰ってきてからも同じで、ヒトミはもう助からないんじゃないのか、だったら、家で看取ってやった方がいいんじゃないのか、私は自分がつらくて先生に看取りを押し付けてるんじゃないのか、そして、とても失礼なことだけど、先生も連れてこられたらもうダメとわかっていても命を繋げようとするんじゃないのか、今のヒトミの状態は延命治療なんじゃないのか、なんてあれこれずっと思ってた。
翌日、ヒトミの容体について先生から電話があり、やはり、かなりキビシイ話に
「先生に看てもらってるだけでほっとしています。自分でもうダメかと思いながら看るのはつらい」
と電話口で泣けて仕方なかった。
だけど。
やっぱり、もうダメならなおのこと、うちで看てやるべきなんじゃないか、知らないところで知らない人に看取られて逝かせるなんてあんまり可哀そうじゃないか、とまた思う。
補液で命だけが長らえてるなんて、自分だったらどうなんだ?
実際、延命治療で入院費がかさんだところで、支払いは自分が得ているわずかなパート代からという現実がある。
娘に話すとやはり、家で看取ってやった方がいい、と言い、火曜日に面会の予約が取れたんで行ってみると。
両脚がマヒして全く動けなかったヒトミの片足がかすかに動けるようになって、プラケースの中を這うようにして動いてる!
ずっしりとして重かった体は少し軽くなって尾羽に力なかったものの、それでもなんとか私の方を見て、
「お母さん、ちょっとだけど動けるようになったよ」
って言ってるようで、そんな姿にまた涙があふれて仕方なかった。
入院はやはり長くなるそうで、強制給餌の仕方を教えてもらって今週末に出来たら連れて帰りたい、と言ったら、とても無理、とのこと。
自ら欲してるヒナに給餌するのと違い、今のヒトミは自分で呑み込むことが出来ないから下手をすれば誤嚥で喉を詰まらせてしまうそう。
その日までの入院費を支払って帰ってきながら、そんな状態で本当によくなるのかどうかわからないのにこれでいいのか、またぐだぐだ思ってしまう。
先生は
「オカメの8歳ではまだ若いし、自分でご飯を食べれるようになれば、箱の中でもこうして生きられるから」
って言ってたけれど、あの状態で本当にそうなるだろうか?
そんなふうに思いながら、検索でたどりついた獣医さんのブログ。
そこには無残としか言いようがないほどに重傷の鳥さんが回復していった記事が載っていて。
治療や状態の詳しいことは自分にはわからないけれど、あんなにひどい怪我で傷ついた鳥が回復したのなら、もしかしたらヒトミもよくなるかもしれない、と初めて思った。
そういえば、だんだん具合が悪くなっていって動くのもしんどいのか、ただ寝てばかりになった飼い猫が餌をかえたら元気になった、って書いてた方もいたし。
大体、鳥専門のプロの先生に任せて、延命治療なんじゃないのか、なんて決めつけてる方が間違ってる。
鳥好きが全身から伝わってきて、とても真剣に向き合ってくれてるのがよくわかる信頼できる先生だからこそ、預けてきたのに。
これまでの獣医さんは
「鳥を診てもらうことできますか?」
って先に電話してちゃんと確認して行ってるのに、ほとんどはろくに診もしないで
「抗生物質だしときますねー」
「栄養剤だしときますねー」
で終了。
それも、それなりの説明があってならともかく、
「うーん、そうですねー…」
とりあえず、みたいな感じで、掌にちょっとのせただけとか、中にはケージの上からちらっと見ただけで終わり、なんてところもあったりで。
ネットで調べてわざわざ高速使って出かけてったところでさえ、その始末。
そのくせ、高い診療費だけは取られるから、診れないなら診れるなんて言うなよ!、って思ってきたことの印象が強すぎた。
その先生がそんな獣医達とは全然違うってことは最初に診てもらった時からわかってたのにね。
申し訳ない。
明日は午後、ヒトミと面会の予約。
この間は4日間で1万円の入院費を支払ったけど、5日目からは2千円ということだったから8千円の支払いになるかな。
来週は先生は学会があるそうだし、私も仕事やなんかの都合でその次に行くのは10日後になりそうだけど、その時にはどうなってるだろう?
一緒に帰ってくるのはまだまだ無理だったとしても、回復の見込みが見えたら嬉しい。

ヒトミ 4歳の頃
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